Jw_cadを初めて使うとき、「なんだか使いにくいかも?」と感じたことはありませんか?
でもそれ、初期設定を変えるだけでグッと快適になるかもしれません。
Jw_cadは自分好みに細かくカスタマイズできる優れたCADソフトです。
本記事では、初心者の方でも迷わず設定変更できるように、基本設定から画面カスタマイズまでを丁寧に解説します。
作図がラクになる環境を一緒に整えていきましょう。
Jw_cadを使いやすくする初期設定の基本
ここでは、Jw_cadを快適に使うために最初に確認しておきたい「基本設定」のポイントを紹介します。
特に操作性やファイル保存、作図単位などの初期設定を整えることで、無駄なストレスを減らせます。
まずは「基本設定」で操作性を整えよう
Jw_cadを起動したら、まずは「設定」→「基本設定」を開いてみましょう。
この画面では、カーソルの動きや線の太さ、クリック動作の方式など、操作性に大きく関わる項目がそろっています。
初心者の方におすすめの設定は以下の通りです。
設定項目 | おすすめ設定 | 理由 |
---|---|---|
クリック方式 | 左ボタン選択/右ボタンドラッグ | 選択と移動を使い分けやすくなる |
補助線 | 表示する | 線の方向や位置が視覚的にわかりやすくなる |
線の太さ | 0.1~0.2mm程度 | 印刷時と同様に見やすい線になる |
また、「レイヤ設定」もこの段階で確認しておくと便利です。
例えば、用途ごとにレイヤ名を変えておくと、作図が進んだあとでも修正がしやすくなります。
用紙サイズや単位の初期設定を確認する
Jw_cadでは、用紙サイズや図面単位を設定しないまま作図を始めてしまうと、後で印刷時に困ることがあります。
必ず「設定」→「基本設定」→「作図条件」タブで、以下の項目を確認しましょう。
- 用紙サイズ:A3またはA4
- 縮尺:1/100や1/50など、用途に合わせて選択
- 単位:mm(ミリメートル)推奨
単位設定は、寸法入力や補助線の間隔にも影響するため、最初に正しく設定することが重要です。
特に初心者の方は、実寸を前提にして作図するケースが多いので、mm設定がベストです。
保存形式やファイル関連の設定
Jw_cadで作成した図面を、あとから他のPCで開いたり、PDFに変換したりすることもあるでしょう。
そのためにも、保存形式や自動保存機能の設定を確認しておくことをおすすめします。
「設定」→「基本設定」→「ファイル」タブでは、以下の項目が設定可能です。
- 保存形式:JWW形式(互換性が高く安定)
- 自動保存:ON(5~10分ごとがおすすめ)
- 上書き保存時に確認を表示する:ON
これらを設定しておくことで、「間違えて保存してしまった」「データが飛んだ」といったトラブルを回避できます。
特に自動保存機能は、作業に集中しているときほど忘れがちなので、最初にONにしておきましょう。
画面表示をカスタマイズして作業効率アップ
Jw_cadでは、画面の見え方を自分好みに変えることで、作業のしやすさが大きく向上します。
ここでは、背景色やアイコン配置、グリッド線の設定など、作図効率に直結する表示カスタマイズを紹介します。
背景色や線色を自分好みに調整する方法
Jw_cadでは、デフォルトの背景が黒または白になっていますが、目が疲れやすいと感じたら、色を変更することをおすすめします。
「設定」→「色・画面」から、背景色や補助線、選択線の色を自由に変更できます。
たとえば、次のような配色が初心者におすすめです。
要素 | 色(例) | メリット |
---|---|---|
背景 | ダークグレー | 目の疲れを軽減し、長時間の作業に向く |
補助線 | 淡いブルー | 背景とのコントラストがはっきりして視認性が高い |
選択線 | 赤 | 選択中の要素がはっきり分かる |
背景色はモニターや作業環境に合わせて最適化することで、集中力や作業効率が格段に上がります。
特に夜間作業や小さな文字を見る場合は、明るすぎる背景よりも中間色のほうが向いています。
色の設定は環境ファイルとして保存できるので、一度設定してしまえば他のパソコンでも同じ配色で作業が可能です。
ツールバー・アイコン配置の変更
Jw_cadの大きな魅力のひとつは、自分好みにツールバーを並び替えられることです。
標準のツールバー配置では、よく使う機能が隠れていたり、クリック回数が増えてしまったりすることがあります。
そのため、作図スタイルに合わせてツールアイコンを並び替えることで、作業効率が大幅にアップします。
変更方法はとても簡単です。
- 画面右側または上部にあるツールバーの上で右クリック。
- 「ツールバーの編集」を選択。
- 不要なアイコンを削除し、必要なアイコンを追加。
- ドラッグで好きな位置に並び替え。
以下は初心者向けのおすすめ配置例です。
配置グループ | おすすめ機能 | 理由 |
---|---|---|
上段 | 新規/開く/保存/印刷 | 基本操作を上部にまとめることでアクセスしやすくなる |
右側 | 線/矩形/円/文字/寸法 | 頻繁に使う作図ツールをまとめると手数が減る |
下段 | レイヤ設定/消去/範囲指定 | 選択や編集系ツールを手元に置くと快適 |
自分のよく使うツールを常に見える位置に置くことで、「どこにあるんだっけ?」と探す時間を減らすことができます。
特に、Jw_cadに慣れていない初心者ほど、最初にこのカスタマイズを行うと迷わず作業に集中できます。
なお、配置を間違えてしまった場合は「標準に戻す」ボタンで元に戻せるため、気軽に試してみましょう。
グリッドとスナップの表示調整
Jw_cadでは、正確な作図をサポートするためにグリッド(補助線)やスナップ(吸着)の機能が用意されています。
この2つを適切に表示・設定することで、線のずれや位置ミスを防ぐことができます。
まず、グリッド表示の設定方法は以下の通りです。
- メニュー「設定」→「基本設定」→「作図条件」タブを開く。
- 「グリッド表示」にチェックを入れる。
- グリッド間隔を設定(例:5mmや10mm)。
グリッドは目安線として機能し、整ったレイアウトで図面を作成できるようになります。
特に寸法線や構造物の配置を左右対称にしたいときなどに非常に役立ちます。
次にスナップ機能について解説します。スナップとは、カーソルを近づけたときに自動でポイントを捉えてくれる便利な機能です。
Jw_cadでは、「端点」「交点」「中心」などさまざまなスナップポイントを選択できます。
- 端点スナップ:線の始点・終点に自動吸着
- 交点スナップ:2本の線の交差点に吸着
- 中心スナップ:円の中心点を捉える
スナップは「設定」→「スナップ設定」またはショートカットキー「S」でメニューを開き、必要なスナップ種別にチェックを入れて有効化します。
また、スナップ感度も調整可能で、距離を小さくすると誤吸着が減り、距離を大きくするとより簡単にポイントを捉えられます。
以下はグリッドとスナップを使った効果のまとめです。
機能 | メリット | 設定ポイント |
---|---|---|
グリッド | 図面全体の整列が容易になる | 目安線の間隔を作図単位に合わせる |
スナップ | 正確な位置取りが可能になる | 必要なスナップのみに限定して使う |
グリッドとスナップは、設定次第でストレスにも味方にもなるため、自分の作業スタイルに合わせて調整することが大切です。
作図を快適にする操作系の設定
Jw_cadの操作はマウス中心ですが、使いやすいように細かくカスタマイズすることで、作図スピードが格段に向上します。
ここではマウスやショートカット、スクロール設定など、操作全般を快適にするための調整方法を解説します。
マウス設定と操作ボタンのカスタマイズ
Jw_cadでは、マウス操作に関する設定も変更可能です。
とくに、左右のクリック動作やドラッグの挙動を自分のクセに合わせてカスタマイズすると、作図時のストレスが激減します。
設定方法は、「設定」→「基本設定」→「マウス・ボタン」タブを開いて調整します。
以下のような設定が可能です。
項目 | おすすめ設定 | 理由 |
---|---|---|
左クリック | 要素選択/コマンド実行 | 直感的で覚えやすい |
右クリック | 図形の移動/スナップ解除 | 頻繁に使う操作を効率化できる |
ホイール | 拡大・縮小 | 画面移動が快適になる |
また、マウスのダブルクリックやホイールクリックに機能を割り当てることも可能なので、自分の使いやすい動作を見つけてみましょう。
マウス設定は地味ですが、快適さに直結するので、時間をかけてでも最適化する価値があります。
とくに、左手でショートカット、右手でマウス操作を行うスタイルに慣れると、作業スピードが一気に向上します。
ショートカットキーを設定する方法
Jw_cadでは、多くのコマンドに対してショートカットキーを設定できます。
頻繁に使う操作をマウスからキーボードに置き換えることで、作図スピードが劇的にアップします。
ショートカットのカスタマイズは「設定」→「キーボード設定」から行えます。
既存のショートカット一覧が表示されるので、そこから変更・追加が可能です。
おすすめのショートカットキー割り当て例は以下の通りです。
操作 | ショートカットキー | 理由・用途 |
---|---|---|
線を引く | L | Line(線)の頭文字で覚えやすい |
矩形 | R | Rectangle(四角形)の頭文字 |
文字入力 | T | Text(文字)の略で直感的 |
寸法 | D | Dimension(寸法)の略 |
全選択 | Ctrl + A | 汎用ショートカットとして定番 |
ショートカットは一度覚えれば、マウス操作よりも圧倒的に早く図面を完成させられます。
また、Jw_cadではAltキーとの組み合わせや数字キーも使えるため、自分だけのカスタム操作を作ることが可能です。
ただし、ショートカットを割り当てすぎると逆に混乱する可能性もあります。
まずは「よく使う3~5個」程度から始めて、慣れてきたら増やしていくのがベストです。
初心者の方は「線(L)」「文字(T)」「消去(E)」の3つから始めると、効率がグッと上がるでしょう。
スクロール・ズーム操作を最適化する
作図中に画面の表示範囲を移動したり拡大・縮小したりする操作は、非常に頻繁に行います。
この操作をスムーズに行えるかどうかで、作業のストレスや効率が大きく変わります。
Jw_cadでは、マウスホイールによるズームや、右ドラッグによるパン(画面移動)など、便利なスクロール操作が用意されています。
これらの操作方法と、設定のポイントを詳しく見ていきましょう。
【おすすめ操作設定】
操作内容 | 設定方法 | メリット |
---|---|---|
拡大・縮小 | マウスホイールの回転 | 瞬時に倍率調整が可能 |
画面移動 | 右ボタン長押し+ドラッグ | スムーズに任意の位置へ移動 |
全体表示 | [V]キー or メニュー「表示」→「全体表示」 | 図面の全体を一目で確認できる |
また、ズームの倍率や速度も設定で調整可能です。
「設定」→「基本設定」→「マウス・ボタン」タブ内の「ホイール感度」や「拡大率変更ステップ」で微調整できます。
ズーム倍率が大きすぎると細かい作図が難しくなり、逆に小さすぎると細部が見えにくくなります。
自分が見やすい範囲で安定して操作できる倍率を探すことが、快適な作図のコツです。
さらに、画面の左下に表示される倍率を常に確認しながら操作することで、図面の縮尺感覚も身につけやすくなります。
ショートカットキーと併用して、素早いズームイン・ズームアウトができるようになると、作図スピードは飛躍的に上がります。
これらのスクロール・ズーム設定は、Jw_cad初心者がつまずきやすい部分でもあります。
初期状態で操作しにくいと感じたら、迷わずカスタマイズして、自分にとってのベストな操作感を追求しましょう。
文字や寸法の見やすさを調整しよう
図面上の「文字」や「寸法」は、設計意図を正しく伝えるために欠かせない要素です。
しかし、初期設定のままでは見づらかったり、印刷時に文字が小さすぎたりすることがあります。
ここでは、Jw_cadで文字や寸法を見やすく設定する方法を解説します。
フォントや文字サイズの設定
まずは図面に使う文字のフォントやサイズを設定しましょう。
「設定」→「文字設定」からフォントや文字サイズを変更できます。
初心者向けのおすすめ設定は以下のとおりです。
項目 | おすすめ設定 | 理由 |
---|---|---|
フォント | MS ゴシック | Jw_cadと相性がよく、読みやすい |
文字サイズ | 2.5~3.5mm程度 | 印刷時に視認しやすいサイズ |
文字間隔 | 1.0~1.2倍 | 詰まりすぎず、ゆとりある印象に |
また、図面の縮尺によって文字サイズを調整することも忘れてはいけません。
たとえば、1/50縮尺なら2.5mm、1/100縮尺なら3.5mm程度が目安です。
文字の配置も重要です。注釈の位置や方向が揃っていないと、読みづらい図面になってしまいます。
Jw_cadでは、文字の角度や回転を「属性」から個別に設定できます。
慣れてきたら、テンプレートとしてよく使う注釈スタイルを保存しておくと便利です。
きれいに配置された文字は、図面全体の印象を大きく向上させます。
読み手の立場を意識して、丁寧に設定していきましょう。
寸法線や補助線のスタイル変更
寸法線は、図面の正確なサイズ情報を伝えるために非常に重要な要素です。
Jw_cadでは、寸法線や補助線の見た目を細かく調整することが可能です。
初期状態ではやや細く見えづらいこともあるため、印刷やプレゼンで使う図面には適切なスタイルに設定し直すことをおすすめします。
設定方法は、「設定」→「寸法設定」から行います。
ここでは、寸法線の太さ、色、文字の表示方法、補助線の長さなどを個別に変更できます。
以下に、初心者でも見やすく仕上がるおすすめの寸法設定例を示します。
設定項目 | おすすめ設定 | 理由 |
---|---|---|
寸法線の太さ | 0.2mm | 視認性が高く、印刷しても見やすい |
補助線の長さ | 5~10mm | 図形から適度に離して見やすくする |
矢印の種類 | 三角矢印(標準) | 一般的な記号として慣れているため |
寸法文字の位置 | 線の上・中央 | 全体のレイアウトが整う |
特に補助線の長さが短すぎると、寸法線と図形が近すぎて読みにくくなるため注意が必要です。
また、寸法文字のサイズも「文字設定」と連動して調整することで、統一感のある図面に仕上がります。
寸法スタイルの変更は図面全体に影響を与えるため、1つ設定を変えたら印刷プレビューで見え方を必ず確認しましょう。
また、図面の種類(建築図・機械図など)によって最適な寸法スタイルが異なるため、用途に応じて微調整するのがコツです。
慣れてきたら、よく使う寸法スタイルを環境設定ファイルとして保存しておくと、今後の図面作成が一段とスムーズになります。
印刷時の見え方との違いに注意する
Jw_cadでは、画面上での表示と印刷結果に差が出ることがあります。
これは、モニター表示の線幅や色、文字の大きさが、印刷時に再現されない場合があるためです。
そのため、図面を印刷に使う際には、事前に表示と印刷のギャップを意識して設定することが非常に重要です。
特に注意すべきポイントは以下の通りです。
- 線の太さが印刷時に細すぎて見えない
- 文字サイズが縮尺と合っておらず小さすぎる
- 色付き線が白黒印刷で見づらくなる
印刷結果とのギャップを防ぐための方法として、以下の設定を見直しましょう。
チェック項目 | 確認方法 | 改善ポイント |
---|---|---|
線の太さ | 印刷プレビューで太さを確認 | 最低でも0.2mm以上に設定 |
文字の大きさ | 縮尺と連動してサイズを調整 | 図面スケールに合わせた適正値に |
色 | モノクロ印刷で視認性を確認 | 重要な線は黒で設定するのが無難 |
さらに、印刷時の設定は「ファイル」→「印刷プレビュー」または「印刷」画面から調整できます。
この画面では、実際の印刷結果に近い表示が確認できるため、必ず目視で最終チェックを行いましょう。
初心者の方は、「画面ではうまく見えるのに、印刷するとバランスが悪い…」という失敗をしがちです。
そのため、画面表示だけに頼らず、印刷前のチェックを習慣にすることで、より正確で美しい図面を作成できます。
とくに公共機関や企業に提出する図面では、読みやすさや整った見栄えが求められます。
最終的な完成形を「印刷」で確認する意識を持つことが、プロの作図に一歩近づくコツです。
環境設定ファイルを活用して効率アップ
Jw_cadには、自分の設定をまるごと保存しておける「環境設定ファイル」という便利な機能があります。
このファイルを使えば、PCを変えても同じ環境を再現できたり、チームで統一設定を共有できたりします。
ここでは、環境設定ファイルの基本から活用方法までを解説します。
設定ファイルの保存と読み込み方法
まず、現在使っているJw_cadの設定を保存するには、「設定」→「環境設定ファイルの保存」から任意の場所に保存します。
ファイル形式は「*.ini」で、たとえば「my_jwcad_config.ini」といった名前をつけておくとわかりやすいです。
保存できる内容は以下のようなものです。
- 基本設定(線種・色・マウス動作など)
- 文字設定・寸法設定・スナップ設定
- ツールバーやメニューのカスタマイズ
読み込みたいときは、「設定」→「環境設定ファイルの読込」を選び、保存しておいた*.iniファイルを選択します。
すぐに反映され、保存時と同じ操作環境に戻すことが可能です。
初心者の方でも、使いやすい設定に調整したあとにこのファイルを保存しておけば、万が一のエラーや再インストールの際も安心です。
また、用途に応じて複数の設定ファイルを使い分けることで、図面の種類に応じた操作環境を一瞬で切り替えることもできます。
例:
- 「建築用設定.ini」
- 「プレゼン用配色.ini」
- 「簡易作図用設定.ini」
このように、環境設定ファイルを活用することで、Jw_cadの操作をよりスマートに、そして効率的に行えるようになります。
複数環境を切り替えるメリットとは
Jw_cadの「環境設定ファイル」は1つだけでなく、用途ごとに複数のファイルを作成・保存して切り替えることが可能です。
これは図面の種類や作業目的が変わるたびに、最適な作図環境へすぐに切り替えられるという大きなメリットがあります。
たとえば、次のような状況で環境設定ファイルの切り替えが有効です。
用途 | 必要な環境 | 設定ファイル名(例) |
---|---|---|
建築図面 | 太めの線/寸法を強調/A3縮尺 | kenchiku.ini |
配線図 | 細線/文字サイズ小さめ/カラー線種 | haisenzu.ini |
打ち合わせ用 | 配色シンプル/レイヤ整理/注釈大きめ | present.ini |
このように、図面の目的や納品先に応じて作業環境を変えることで、毎回設定をいじる手間が省け、効率的に作図できます。
設定ファイルの切り替えは、「設定」→「環境設定ファイルの読込」からすぐに行えます。
一度保存しておいたファイルを選択するだけで、数秒で全設定が反映されます。
とくに仕事で複数案件を同時に進める場合や、社内ルールと外注用でルールが異なる場合などは、環境設定ファイルの使い分けが非常に有効です。
初心者のうちからこの運用に慣れておくと、将来的に業務効率の面で大きな差がつきます。
作図スタイルが定まってきたら、ぜひ用途別に設定ファイルを用意しておきましょう。
チーム作業での環境共有の注意点
Jw_cadを複数人で使うチームや職場では、同じ作図環境を共有することが大切です。
線種や色、寸法の設定がバラバラだと、仕上がった図面に統一感がなく、修正や印刷時のトラブルにつながります。
そのため、環境設定ファイルを使ってチーム全体で同じ作図環境を導入するのが基本となります。
共有手順は以下の通りです。
- リーダーが代表の設定ファイルを作成(例:「team_config.ini」)。
- チームメンバーに配布(USBやクラウド、社内ネットワークなど)。
- 各自「設定」→「環境設定ファイルの読込」から読み込む。
共有にあたっての注意点は以下のような点です。
注意点 | 解説 |
---|---|
絶対に上書きしない | 共有ファイルを直接編集してしまうと他の人に影響が出るため、個人で変更したい場合は別名で保存する |
バージョン管理 | 修正履歴を記録しておくことで、更新時の混乱を防げる |
用途別に分ける | 「基本設定」「プレゼン用」「提出用」など、用途別に分けて管理するとわかりやすい |
また、メンバーの誰かが設定を勝手に変えてしまうと、図面の表記ルールが崩れてしまいます。
そのため、設定ファイルを標準化し、「変更不可」のルールを設けることも運用上は重要です。
さらに、印刷設定やレイヤ構成まで含めた「作図テンプレート」として、環境設定ファイル+JWWファイルの組み合わせで共有すると、業務の一貫性が保てます。
チームでの作業においては、設定の共有は単なる便利機能ではなく、品質と作業効率を支えるインフラのような存在です。
積極的に活用しましょう。
一度設定した環境をバックアップしよう
Jw_cadの環境を自分好みに整えたら、その設定を失わないようにバックアップしておくことが大切です。
PCの故障や再インストール、バージョンアップの際にも安心して復元できるようになります。
設定ファイルのバックアップ手順
環境設定のバックアップとは、設定内容が記録されているファイルを別の場所に保存しておくことです。
主にバックアップすべきファイルは以下の2種類です。
- jww.ini(環境設定ファイル)
- default.dwg・layer.dat などの補助ファイル
バックアップ手順は以下の通りです。
- Jw_cadのインストールフォルダ(通常は「C:\jww」)を開く。
- 「jww.ini」を右クリックしてコピー。
- 外付けHDD、USBメモリ、Googleドライブなど任意の場所に貼り付け。
- 必要に応じて「layer.dat」や「default.dwg」などのカスタマイズファイルも同様に保存。
ファイル名を「日付+用途名」にしておくと、管理がしやすくなります。
例:「jww_2025-07-22_backup.ini」や「jww_config_office_use.ini」など。
月に1度程度、定期的にバックアップを取る習慣をつけておけば、万が一のときにもすぐに復旧できます。
PC移行時に設定を引き継ぐ方法
新しいパソコンへJw_cadを移す場合も、環境設定ファイルを事前にバックアップしておけば、スムーズに設定を引き継ぐことができます。
設定をゼロからやり直す必要がないため、時間と手間の節約につながります。
PC移行のステップは以下のとおりです。
- 旧PCで「jww.ini」をバックアップしておく(前項参照)。
- 新しいPCにJw_cadをインストール(公式サイトから最新版を入手)。
- インストール後、Jw_cadを一度起動して閉じる。
- 新PCの「C:\jww」フォルダに旧PCで保存した「jww.ini」を上書きコピー。
- 再起動後、前と同じ設定で使えるようになる。
そのほか、「layer.dat」「menu.dat」「default.dwg」など、自分がカスタマイズしたファイルがあれば一緒にコピーするとより完全な再現が可能です。
特に業務でJw_cadを使っている場合、移行後に設定が失われると作業効率に大きな影響を与えるため、引き継ぎは確実に行うことが重要です。
また、クラウドストレージ(Google DriveやDropbox)を使えば、常に最新の設定ファイルを自動で保存しておくこともでき、PC間の移動がさらに簡単になります。
PC入れ替えの予定がある方は、事前に環境設定ファイルをUSBなどに保存し、検証用のPCで一度動作確認しておくとより安心です。
トラブル時の復元テクニック
Jw_cadを使っていて、「急に設定が初期化された」「表示が変になった」などのトラブルが起きることがあります。
そんなときに備えて、事前にバックアップしておいた環境設定ファイルを復元する方法を知っておくと安心です。
復元の流れはとてもシンプルです。
- Jw_cadを一度終了する。
- 保存しておいた「jww.ini」ファイルを、現在のJw_cadフォルダ(例:C:\jww)にコピー。
- 「上書きしますか?」と表示されたら「はい」を選択。
- Jw_cadを再起動して、設定が元に戻っているか確認。
以下は、トラブルごとの対処ポイントです。
症状 | 原因の可能性 | 対処法 |
---|---|---|
線の色や太さが初期状態に | 「jww.ini」の破損または初期化 | バックアップから復元 |
ツールバー配置がリセットされた | 設定ファイルが上書きされた | 「menu.dat」や「jww.ini」を再適用 |
起動エラーが出る | 設定ファイルの破損や不整合 | iniファイルを削除→Jw_cad自動再生成→再設定 |
何らかの原因で設定ファイルが破損してしまっても、バックアップさえあれば元通りに戻すことができます。
定期的にバックアップを取っておく習慣が、こうしたトラブルからあなたを守ってくれます。
また、復元作業はJw_cadのインストールや操作にある程度慣れてから行うことをおすすめします。
不安な方は、事前にフォルダ全体をバックアップしてから上書き作業を行いましょう。
「設定がおかしいな?」と思ったら、まずは落ち着いて、保存しておいたiniファイルを復元する。
これがJw_cadを安心して使い続けるための一番のポイントです。
まとめ|自分に合った設定でJw_cadをもっと便利に
Jw_cadは、初期設定のままでも使えますが、設定を自分好みにカスタマイズすることで、作図作業が何倍も快適になります。
背景色の変更、ツールバーの並び替え、ショートカットキーの活用など、ちょっとした調整がストレスを減らし、効率を高めてくれます。
さらに、設定内容を保存しておけば、新しいパソコンでも同じ環境を再現できますし、トラブル時の復元にも役立ちます。
初心者の方こそ、まずは基本設定を整えて、Jw_cadの便利さを実感してみてください。
少しの工夫で、あなたの作図スキルは確実にレベルアップします。
Jw_cad設定カスタマイズのチェックリスト
- 基本設定でマウスや単位を調整したか?
- 画面表示やツールバーを自分好みに変更したか?
- 環境設定ファイルの保存・バックアップは行ったか?
設定の一つひとつは小さな変更に見えるかもしれませんが、積み重ねることで「自分に合った理想の作図環境」が出来上がります。
今日からぜひ、あなたのJw_cadをスマートに使う第一歩を踏み出してみてください。